一方の八木は、初恋の相手がドラミちゃんという変わり者(!)。そんな彼も2012年に11才年下の一般女性と結婚し、2人の子供のパパとなったが、今では毎年の『映画ドラえもん』は家族の恒例行事。
「42才の人間が小さい時から観ていた作品を、その子供が今、観て、同じ目線で楽しめるんですよね。行く前に一緒に予習をして、見た後に延々と映画の話をして…。この幸せがあまりにもうれしい。こんなキャラクターって、他にはいないじゃないですか」(八木)
そう八木が目を見開けば、高橋は、大人になった今こそ、コミックを読み返してみてほしいと力説する。
「おすすめは、家を出る時に、ランダムに1、2冊を鞄に入れておいて移動中に読むこと。どの巻を読んでも、1話が10ページぐらいで完結する中に道具や冒険が出てきて、オチまでちゃんと成立している。だから、めっちゃおもろい。大人目線で笑ってしまうツボもある。フッ(たまらず、思い出し笑い)。ドラえもんが恋をしたってだけで、“のび太、どんだけ笑うねん、お前!”とか(笑い)」
八木は、家族ができて見方がガラッと変わった。
「年齢的にものび太くんのお父さん、お母さん目線で見てしまう。ウチの子ものび太くんみたいにテストで0点を取って帰ってきたらどうしようとか(笑い)。前はのび太くん目線で、親=怒るお母さんという感覚やったんやがね」
実は、おおらかなパパ&叱り役のママという野比家の構図は、八木家でも同じ。
「ぼくはどうしても甘やかしてしまうので、代わりに嫁が叱るんですよ。どこの家でも一緒なんやなって。家を見て、そうか、一戸建てでええなとか、リアルな父親目線です(笑い)」
心優しいのび太が大好きだという高橋も、年齢を重ねて見る目が変わってきた。
「小学生からずっとひとりの女の子を想い続ける一途さがのび太のすごさなんや!って。それで初恋のしずかちゃんと結婚するんですもん」
※女性セブン2017年3月16日号