奈緒は、息子といられる時間1分1秒を惜しんで、愛情を注ぎ続けました。奈緒が願ってやまなかった息子との時間を、ぼくが無駄にしちゃいけないと心から思うんです」

 清水さんのもとには、関西を中心に東京や広島、北海道といった遠方からも、ひっきりなしに講演のオファーが届く。講演内容の打ち合わせもあるため、週に2~3日は保育園を利用し、母親の協力も仰ぎながら息子と向き合う日々だ。

「苦労しないことがひとつもない、というほど苦労していますよ。当たり前かもしれないけど、しんどい時もあります。朝起きて、着替えるのがいや、朝ご飯がいや、お出かけの準備もいや。で、たまたまうまくいったかなーって、前日と同じ作戦で気を引いてみようとしたら、見事に失敗したり(笑い)。そんなことの繰り返しで、ママがいたら素直に言うことを聞くのかなって、ふと思ったりもします。本当に、ママの力は偉大です。でもそんなことを考えていても、やっぱり、奈緒はいないんですよね。ああ、奈緒だったらどうするんだろうって想像しても、やっぱりぼくがしなくちゃいけないんですよ。それがぼくの責任なんです。

 今でもそうかもしれないですが、ぼくがずっと忙しくしていて、息子との時間が取れなかったとき、やっぱり息子の気持ちはぼくから離れていって、表情もどこか悲しそうで。会社を辞めて、息子の顔つきが変わったって家族からは言われるんです。家に帰ると“パパや!”って叫びながら玄関まで走ってお出迎えにきてくれて。

 ぼくは、奈緒を守れなかった。だから、息子だけは絶対に守るって奈緒に誓ったのに、それさえもできていなかったのかもしれません。

 息子を守るために命をかけて闘った奈緒には、感謝しかありません。奈緒のためにも、いっぱいの助けを得ながらですが、ぼくは闘い続けなくちゃならないんです」

※女性セブン2017年3月30日・4月6日号

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