落合:再分配の流れが変わってきたんですよね。いったん法人に集めてから再分配するのではなく、個人から個人へお金が流れたりしている。「会社から給料をもらう」という従来の流れとは違うお金の循環が生まれつつあります。
堀江:そうなると、みんなが結婚して子供を作ってマイホームを建てて車を持って……みたいな旧来型の社会でさえなくなれば、月5万円程度のベーシック・インカム(※注2)が配られればかなり豊かに暮らせる気がする。
【※注2/国家が国民に対して最低限暮らせる額の現金を支給するという仕組み。資本主義の行き詰まりとともに議論される機会が増え、フィンランドではこの1月から試験導入が始まった】
落合:ずっと学生でいるような生き方ですよね。
堀江:そうそう。いまはまだそういう生き方に心理的な壁があるけど、本音では「面倒臭いからべつに結婚しなくていい」「仕事したくない」と思っている人も多いでしょ。それを堂々と言える社会になれば、変わるんじゃないかな。正直、もう会社なんか行かなくていいんじゃないですか?
●ほりえ・たかふみ/1972年生まれ。実業家。SNS media&consulting株式会社ファウンダー。株式会社ライブドア元代表取締役CEO。『ゼロ』『本音で生きる』など著書多数。
●おちあい・よういち/1987年生まれ。筑波大助教。メディアアーティスト。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。著書に『これからの世界をつくる仲間たちへ』などがある。
※SAPIO2017年4月号