折しも、現在79歳の森氏は五輪招致の苦労話を綴った『遺書 東京五輪への覚悟』を出版。それに合わせて登場した産経新聞のインタビュー(4月16日付)で、肺がんで余命幾ばくもないと宣告され、「遺言」のつもりで書いたと明かしている。
〈医者からも「もうあきらめて下さい」と言われてたんですよ。昨年2月頃は髪も抜けてユル・ブリンナーそのものですよ。酸素ボンベがないと3歩歩くだけでハアハアと息が続かない。(中略)「遺言」のつもりで書いた手記だけど、昨年2月に新薬を投与したら体調が回復してね。まだ死なないのに「遺言」はどうかなと思って「遺書」に変えたんです〉
肺がんを克服し、文字通り“死地”から甦った森氏は、改めて小池氏との対決姿勢を鮮明にする。
産経のインタビューでも、〈普通は「都に代わって、ここまでやって下さってありがとうございます」と言うのが礼儀だろうけど、一言もありません〉と小池氏を“礼儀知らず”と批判した。小池氏が森氏からの宣戦布告だと受け取ったとしても、無理はない言い方だ。
森氏とともに招致活動に関わった東京五輪招致委員会関係者はこう見る。