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2017.04.27 11:00  週刊ポスト

四国こんぴら歌舞伎 役者の息遣いまで聞こえる圧巻の臨場感

客席の天井は約500本の竹を格子状に組んだ「ブドウ棚」

 香川県・琴平町。「こんぴらさん」の愛称で古来、信仰を集める金刀比羅宮を構えるこの地が桜色に染まる頃、同じく春の訪れを告げるのが恒例の「四国こんぴら歌舞伎大芝居」だ(今年は4月8日~23日)。

 参道にたくさんの幟が立てられると、琴平の街は一気にお祭りムードで活気づく。初日を前に門前町で行なわれるのが、役者たちが人力車で練り歩く「お練り」。今年は片岡仁左衛門が座頭を務める五代目中村雀右衛門襲名披露公演とあって、桜吹雪ならぬ紙吹雪がひらひら舞うなか、参道に集まったファンから、「松嶋屋!」「京屋!」と、熱烈な歓声があがった。

 公演は、現存する日本最古の芝居小屋「旧金毘羅大芝居(通称・金丸座)」で行なわれる。天保6(1835)年に建てられ、江戸時代には江戸や上方の千両役者たちがこぞって出演したという由緒ある檜舞台だ。昭和45(1970)年には歴史的・文化的価値が認められ、国の重要文化財に指定。現在の愛宕山中腹に移築改修され、天保の世の芝居小屋が見事甦った。

「ネズミ木戸」と呼ばれる正面の小さな入口から身をかがめて旧金毘羅大芝居へ入ると、1階客席中央の「平場」を埋め尽くした観客の熱気に圧倒される。左右には提灯が点る桟敷席が設けられ、やわらかな自然光が差し込む芝居小屋に江戸の風情がふわりと漂う。

 舞台は役者の息遣いがリアルに感じられるほど近く、平場のすぐ脇を走る花道での見栄は抜群の迫力。役者の表情もつぶさに見えるため、ちょっとした表情の変化にドッと沸いたり、固唾をのんだり。観客も一緒に芝居の中に入り込んだような臨場感が堪らない。

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