芸能

『いいとも』斬りも…フジ亀山社長の改革はなぜ失敗したのか

長寿番組の打ち切りなど、相次いだ改革の成果は?

 誰もが知る長寿番組の打ち切りは正解だったのか――。フジテレビは5月9日の役員会議で亀山千広社長(60)の退任が決定し、後任にはBSフジの宮内正喜社長(73)が就任することとなった。2013年の就任以来、亀山氏は『笑っていいとも!』『ごきげんよう』『スーパーニュース』などの20~30年強続いた番組を終了させるなど改革を断行してきたが、現在のところ目に見えた成果が現われているとは言い難い。

 亀山氏が入社した1980年、フジテレビは子会社として切り離されていた制作部門を本社に吸収。正社員として登用されたテレビマンはやる気を燃やし、社内に活気が溢れた。また、『スター千一夜』(1959~81年)や『小川宏ショー』(1965~82年)という看板番組を打ち切り、「楽しくなければテレビじゃない」という軽チャー路線を明確に打ち出した。『オレたちひょうきん族』(1981~89年)、『なるほど!ザ・ワールド』(1981~96年)などの新番組を開始することで、1982年からの視聴率三冠王時代に突入。以降、「就職したい企業ランキング」で1位に輝くなど、他局にないブランドイメージも築いた。芸能担当記者が話す。

「亀山社長には、入社当時の“残像”もあったのでしょう。『いいとも』などを終了させることで新しいフジを打ち出そうとした。たしかに『いいとも』は全盛期と比べて、かなり視聴率も落ちていたし、打ち切りを望む声は内外から多くあり、その判断が間違いだったとは言い切れない。

 しかし、後続番組は既視感のあるものばかりで、目新しさがなかった。これでは『いいとも』などを続けていたほうが良かった、と思う人がいてもしかたないでしょう。1980年代と違い、フジの番組制作力が格段に落ちていたことを証明してしまったのです。

 また、『いいとも』は若手女子アナがテレフォンショッキングのアナウンサーを務めたり、コーナーに参加したりすることで、大物芸能人と生放送の緊張感を体験できた。女子アナを鍛える場が1つなくなったという意味でも大きかった」

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