テレビ中継では、宇良が最後の塩を取りに行く前の右手をズームアップすることがある。これは取り口をイメージして宇良が右手を細かく動かすルーティンを捉えるもののためだという。
横綱・日馬富士は最後の仕切りで土俵に顔が着きそうなほど低く構え、「本気の時ほど構えは低くなる」(若手親方)と、ルーティンが体調や闘志のバロメーターになる場合もある。
“勝ちっ放しの間はヒゲを剃らない”は、角界の有名なゲン担ぎで、昨年九州場所中に石浦が2日目から連勝街道を突っ走った時のヒゲ面は話題になったが、
「9連勝したところで一度剃ったところ、翌日も普通に勝って連勝は10まで伸びた。ちなみにゲン担ぎを全くしないのは遠藤」(同前)だという。細かく見れば見るほど、相撲は面白い。
※週刊ポスト2017年6月2日号