国内

加計問題、前次官が赤裸々に語れば安倍氏根拠崩れる恐れ

安倍首相の国会答弁の根拠が崩れかねない

 森友学園問題に揺れた政権に、新たに突きつけられた疑惑が加計学園問題だ。2つの問題は構図がそっくりだ。安倍首相が「腹心の友」と呼ぶ30年来の友人、加計孝太郎氏が経営する加計学園(岡山理科大学)の愛媛県今治市での獣医学部開校が政府の規制緩和で例外的に認められ、今治市は約37億円の市有地を無償提供したうえ、校舎建設費として約64億円の補助を決定した。森友学園同様、総理大臣に近しい学校法人に“お手盛り”で便宜供与がなされたのではないかという疑惑だ。

「加計学園から私に相談があったことや圧力が働いたということは一切ない。もし働きかけて決めたならば責任を取る」

 疑惑を否定する安倍晋三・首相の言葉も森友の時とほとんど同じだった。官邸を震撼させたのは、文科省中枢でやり取りされた文書が朝日新聞(5月17日付)に報じられたことだ。

 文書は獣医学部新設を巡る内閣府と文科省の交渉経緯をまとめた内部メモで、そこには性急な学部新設に難色を示す文科省に対して、内閣府の審議官が、〈これは官邸の最高レベルが言っていること〉〈これは総理のご意向だと聞いている〉と“圧力”をかけた様子が綴られている(審議官は国会答弁で発言を否定)。

「総理のご意向」で加計学園の獣医学部開校が決まったのであれば、役人の「忖度」で国有地が格安で払い下げられたとされる森友疑惑よりはるかに重大だ。官邸はすぐに情報漏洩ルートを特定、朝日の報道直後、官邸幹部の1人は苦々しい表情で告発者をこう“名指し”てみせた。

「ネタ元は文科省の元最高幹部だ。こっちには情報が全部入っている」

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