国内

元文科省の官僚「前川さんはもっとも人望のある事務次官」

事務次官では最も人望のある人と言われる前川氏

 ここ3か月で安倍政権の「権力の横暴」と指摘されるような事態が次々に表面化している。最初に発覚したのが森友学園スキャンダルだ。

 学校法人・森友学園が13億円以上の土地をタダ同然で手にしたこの問題。背後には、以前から同学園の理事長と深い関係のあった安倍晋三首相(62才)や妻・昭恵さん(54才)の口利きがあったと疑われている。

 森友問題がうやむやになるなか、続けて飛び出したのが加計学園スキャンダルだった。

「首相の“腹心の友”が理事長を務める加計学園グループが獣医学部を新設する際、安倍首相が文科省に口利きをした疑惑です。同グループへは約440億円もの税金が流れた可能性も指摘されています。昭恵さんはこのグループの保育施設で名誉園長についています」(全国紙記者)

 安倍首相と昭恵さんに近しい人だけが甘い汁を吸うことができる――そんなことが、許されていいはずがない。そして、そんな“国の私物化”といえる事態を告発しようとした人は、国家権力から攻撃されることにもなりかねない恐怖を私たちは目の当たりにしている。

 文部科学省の官僚のトップまで務めた前川喜平氏(62才)。事の発端は5月22日の読売新聞だ。前川氏が在職中、援助交際や売春の温床となっている東京・歌舞伎町の「出会い系バー」に出入りしていたと報じられた。通常、全国紙が法に触れるわけでもない公務員の“下半身事情”を報じることはほとんどない。異例中の異例のことだった。

「背景には官邸の意向があるといわれています。報道の5日前、加計学園の獣医学部の新設について『総理のご意向だと聞いている』と記された文科省の文書の存在が報じられました。この文書について、官邸は前川氏がリークしたと疑った。それ以上の告発を封じるため、官邸は警察関係者を利用して入手した前川氏のプライベートを読売新聞に流したとみられているんです」(前出・全国紙記者)

 重要なのは獣医学部の新設に「総理の意向があったのか、なかったのか」であり、告発者のスキャンダルを流すことは問題のすり替えでしかない。

 菅義偉官房長官(68才)は会見で、前川氏の出会い系バーへの出入りについて「強い違和感を覚えた」と述べているが、安倍首相と親しい自民党の元大臣が東京・吉原の高級風俗店に通っていることをつい半年前に報じられていることを忘れたわけでもないはずだ。物言えば唇寒し秋の風、とはこのことだ。

◆ノルウェイの森の華麗なる一族

 官邸の横やりにもめげず、前川氏は会見を開き、各マスコミの個別インタビューも受け、「『総理のご意向』と記された記録文書は間違いなく本物だ」と公言した。文科省の元トップが総理の関与を示す前代未聞の証言に、永田町に激震が走った。

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン