国内

小平市の樹林墓地使用料 遺骨1体12万、粉状遺骨4万円

都立初の樹木葬墓地として話題を集めた小平霊園

 これまでの価値観を覆すようなさまざまなお墓が登場している。今回は、東京都小平市にある都立小平霊園をノンフィクションライターの井上理津子氏が訪れた。

 * * *
 小平霊園には、都立霊園初の樹木葬的な墓地が2012年にでき、話題になったことが記憶に新しい。初年度は、500体の募集に対して16倍の応募が殺到。以降も人気を集め続けているという。

 最寄り駅は、新宿から西武新宿線で約30分の小平駅。意外に駅から近い。線路沿いに歩き、わずか6分で、小平霊園の正門に着いた。ケヤキ並木が続き、公園のような霊園だ。敷地面積は、東京ドーム約14個分にあたる約65万平方メートル。

 公益財団法人東京都公園協会の霊園課長、戸室光司さんと、小平霊園管理事務所長の八馬稔さんが対応してくださった。

「『死後は安らかに自然に還りたい』というニーズにお応えする墓地です。もともと樹林地だった霊園内の一画に設けました。一般的に『樹木葬』と呼んでもらって結構ですが、正確には『樹林型合葬埋蔵施設』略して『樹林墓地』と、『樹木型合葬埋蔵施設』略して『樹木墓地』です」(戸室さん)

 お役所用語はややこしい。両墓地は、正門から歩いて2、3分のところに並んでいた。すっきりしているなあ、というのが第一印象。50cmほどの高さの石垣の上に広がる、平らな芝生地だ。円形とも四角ともつかぬ形で、樹林墓地は約830平方メートル、樹木墓地は約650平方メートル。

 樹林墓地には「武蔵野をイメージする」というコブシ、ヤマボウシなど5種類8本の樹木。樹木墓地には、カツラの木が3本立つ。これらがシンボルツリー。献花台と焼香台が用意された参拝所に立つと、一般墓地に林立する木々が背景だ。

 今年も、7月から募集申込みが始まる。昨年度の「申込みのしおり」を見ても、仕組みが今ひとつわからないので、細かく説明を仰いだ。つまり、こうだ。

【樹林墓地】
・埋蔵予定数=約1万700体
・遺骨の形態=遺骨のまま、または粉状遺骨(パウダー化させる)を絹の袋に入れる
・埋蔵方法=樹木の下に、27のカロート(納骨スペース)が設置されている。それぞれのカロートに約400体の遺骨を入れる。カロートの下は土。土の上に遺骨袋を並べ、いっぱいになると土をかぶせ、その上にまた遺骨袋を並べる
・使用料=遺骨1体12万3000円。粉状遺骨1体4万1000円(2016年度)

【樹木墓地】
・埋蔵予定数=約2880体
・遺骨の形態=遺骨を絹の袋に入れる
・埋蔵方法=カロートはなく、樹木周辺の芝生をはがし、約30cm四方の穴を掘り、個別に1体ずつ土の中に埋蔵する
・使用料=18万3000円(2016年度)

 昨年度は、1600体を募集した樹林墓地の倍率は10倍だった。だが、300体を募集した樹木墓地は1.7倍で、そのハードルは、意外とそう高くない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年、第27回参議委員議員選挙で使用した日本維新の会のポスター(時事通信フォト)
《本当に許せません》維新議員の”国保逃れ”疑惑で「日本維新の会」に広がる怒りの声「身を切る改革って自分たちの身じゃなかったってこと」
NEWSポストセブン
防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
《浜松・ガールズバー店員2人刺殺》「『お父さん、すみません』と泣いて土下座して…」被害者・竹内朋香さんの夫が振り返る“両手ナイフ男”の凶行からの壮絶な半年間
NEWSポストセブン
寮内の暴力事案は裁判沙汰に
《広陵高校暴力問題》いまだ校長、前監督からの謝罪はなく被害生徒の父は「同じような事件の再発」を危惧 第三者委の調査はこれからで学校側は「個別の質問には対応しない」と回答
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン