「左派(進歩派)」で「対北融和派」と目される文氏の勝利を含め、日本では「韓国は北の脅威を忘れた平和ボケ」という大合唱が巻き起こり、慰安婦合意の見直し問題の再燃が危惧されている。韓国で一体何が起こっているのか。

 ソウルからKTXで南下すること1時間半、星州サード配備地は総世帯約80戸のウリ畑が広がる集落であった。そこに、サード反対派の大集団が、「平和」「サード反対」「ミサイルはいらない」などの横断幕とテント小屋を張り、村の公民館を丸ごと反対派の拠点として居座っている。サード車両と付属するXバンドレーダーの設置場所に続く山道は、韓国警察と軍によって検問所が出来ている。私はもう何度目かの既視感に苛まれていた。

 県道の両側を埋め尽くす「平和」「ヘリパッド反対」「オスプレイ要らない」の横断幕とテント小屋、そして警察による検問所……。何もかも沖縄北部・高江で発生した「高江ヘリパッド建設反対集会(『SAPIO』2016年12月号参照)と瓜二つである。

 反対派の構成も似ている。80戸の星州地元民よりも、ソウルなど大都市部からやってきた革新系労働組合(民主労総)や、革新系民間団体が多数を占める。

 また、このサードが設置される山系が、1916年に朴重彬なる開祖が拓いた仏教系新宗教「円仏教」の教義的聖地だとかで、「聖地を護れ」のスローガンのもと、尼僧が座り込みを続けている光景であった。高江でも「ヤンバルの住む神聖な水と森を護れ」と若干スピリチュアルな要素を説く人が居たので、これもある種の既視感の一種でもある。

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