片山:みんなが喜ぶフレーズをつなぎ合わせたパッチワーク談話でした。国際連盟やパリ不戦条約を絶対視してそこから日本がはみだしたのが間違いだとする最近の国際政治学者たちの論調の言いなりになっているところもあれば、愛国者やリベラルの喜ぶフレーズもあります。整合性はないのだが、誰も本気で怒らないようにはなっている。

 ネットというのはみんなが都合の良いところしか目にしないような性向をはぐくんできたでしょう。たぶんそのせいで、平成になってから政治家に限らず、言論のパッチワーク化が顕著になっている。安倍談話はその象徴でした。

■さとう・まさる/1960年生まれ。1985年、同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。主な著書に『国家の罠』『自壊する帝国』など。共著に『新・リーダー論』『あぶない一神教』など。本誌連載5年分の論考をまとめた『世界観』(小学館新書)が発売中。

■かたやま・もりひで/1963年生まれ。慶應大学法学部教授。思想史研究家。慶應大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。『未完のファシズム』で司馬遼太郎賞受賞。近著に『近代天皇論』(島薗進氏との共著)。

※SAPIO2017年7月号

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