森友学園、加計学園疑惑も同じに見える。国会では連日、役人の「忖度」や「総理のご意向」が追及されているにもかかわらず、新聞各紙の5月調査の数字を前回と比べると、朝日(48%→47%)、読売(60%→61%)、日経(60%→56%)と揃って横ばいの傾向に違いはない。

 埼玉大学社会調査研究センターの松本正生・センター長(教授)は「内閣支持率」という指標の性質が変化していると分析する。

「最近の内閣支持率は国民の『政権への評価』を表わす指標というより、『社会の雰囲気』を投影する指標になっている。国民は将来に不安を抱え、比較的安定している現在の経済状況が続いてほしい。それに比べれば加計学園問題は重視されない。もともと安倍政権に多くを望んではいないから、不祥事が起きても怒りにつながらない」

 50%台の高い支持率は現状維持を求める「消極的支持」の反映という指摘だ。

※週刊ポスト2017年6月23日号

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