◆ベア要求でメンバーから外れたくない
取材を進めたところ実際に日テレにベースアップを要求したメンバーはひとりも確認できなかった。メンバーにはこんな損得勘定があるという。
「『笑点』に出演すれば、全国的な知名度が上がるため、本業である落語の営業のギャラが桁違いになる。普通の真打ちの1回のギャラは10万~20万円が相場だが、大喜利メンバーなら50万~60万円にハネ上がる。
だから、下手に『笑点』のギャラのベアを要求して、スタッフから煙たがられ、メンバーから外されては困るんです。安いギャラでもメンバーであり続けて、他の仕事で稼ぐ方が儲かるんです」(落語関係者)
どれほど儲けているか、その具体的な金額は定かではないが、昇太が『笑点』メンバー入り後に、居酒屋風のバースペースを兼ね備えた「座布団御殿」を新築したのは知られた話である。
ただし『笑点』の低待遇はギャラだけではない。
「楽屋は大部屋で全員一緒、お弁当やおやつが出ないのも有名です。でも、いつも一緒にいるからこそ『チーム笑点』は固い絆で結ばれている。みんな、安いギャラでも“落語を大衆に広めたい”というモチベーションでつながっている。とはいえ、本気で一致団結して待遇改善を求めてきたら日テレは困るでしょうね。今回の木久扇師匠の“労働組合結成”発言はネタだと分かっていても、スタッフはヒヤヒヤだったかもしれませんよ(苦笑)」(前出・日テレ関係者)
※週刊ポスト2017年6月30日号