国内

古谷経衡氏 東京・下町を歩き、公明党の「今昔」を思う

日暮里駅前に群衆が集った(右奥=太田道灌像)

 めまぐるしく風向きが変わった都議選だった。国会の混乱でイメージ低下を招いた自民党。公示間際に築地・豊洲共存プランを発表した小池百合子知事と、彼女が率いる都民ファースト。こうした「変数」に流されず、安定した選挙戦を展開したのが公明党である。評論家・古谷経衡氏がその“力の源泉”を歩いた。

 * * *
 今次都議選で最も公明党が重視した「超重点7選挙区」のうち、私がとりわけ注目したのは荒川選挙区である。東京の典型的低地帯、下町を形成してきた荒川には、高度成長時代に農村部から大量に流入し、学会に入信した大量の「公明票」が存在する。

 隣接する足立区、北区を含めて(国政では東京12区、太田昭宏前代表の牙城)、東京東部における荒川への公明党の拘りは格別のものがある。江戸城の築城で知られる太田道灌の銅像を背景にして、同党から立候補する新人「けいの(慶野)信一」候補のJR日暮里駅での街頭演説に、同党代表・山口那津男が駆け付けたのは、都議選の公示直前であった。

 慶野候補は、公明=学会の典型的な理想像を具現化したような候補だ。荒川・町屋の地元に生まれ、実家は町工場経営(金属加工)。大卒後は太田昭宏の秘書を務めた経歴を持つ。テレビ画面で見るよりも一回り小柄な印象を受ける山口は、ずんずんと街宣カーによじ登ると、慶野候補を「油にまみれ、汗にまみれ、地域と共に頑張ってまいりました」としきりに紹介する。創価学会名誉会長・池田大作の掲げた「大衆と共に」という理念を、その人生において体現したようなプロフィールを持つのが慶野候補である。

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン