層は厚い。近畿大会決勝では、17点リードした8回裏の守りで、二死1塁からライト線を抜く当たりが飛び出すも、見事な中継プレーで生還を許さなかった。部内の競争意識が、大量リードでも隙を見せない緻密なプレーにつながっている。
「最強世代」を擁す大阪桐蔭は、この夏にも優勝回数がPLに並ぶ。さらに来春、もしくは来夏の選手権100回大会で「PLを超える日」が来てもおかしくない。監督の西谷は、どんな感情を抱いているのだろうか。
「まだまだPLの足下にも及びません。超えられるとも思っていません」
元中日で、1986年に大阪桐蔭の前身である大阪産業大学高校大東校舎に入学した今中慎二は言う。
「藤浪(晋太郎)が阪神で苦しんでいるように、大阪桐蔭はPLほど投手を育てきれていない。たとえ優勝回数で並んだとしても、あの時代のPLを超えることはできないでしょう。それは、どの学校にも言えることですが」