最近は陛下の医療チームに新たな動きがありました。2012年の冠動脈バイパス手術を担当したのは、天野篤・順天堂大学教授、日本大学医学部出身でした。また、適応障害に悩まれている雅子妃殿下の主治医は大野裕氏、慶應義塾大学出身です。徐々に東大にこだわらなくなってきているようです。
昨年8月、天皇陛下は、象徴としてのお務めについてお言葉を述べられ、高齢による体力の低下にも触れていました。前述の冠動脈バイパスの手術は成功したものの、2003年1月に摘出手術を受けられた前立腺がんのことを忘れてはいけません。現在も1か月に1回、ホルモン治療を継続中で、副作用による骨密度低下が心配されます。
平成はまもなく終わりますが、上皇となられた後も侍医団の注意深いサポートが必要となります。
【プロフィール】かんだ・ひでかず/1935年生まれ。テレビ朝日にて1978年から宮内庁担当記者。1995年退社後、フリーの皇室ジャーナリストとして活動。
※SAPIO2017年8月号