2011年10月から全国で暴力団排除条例が施行され、銀行口座を開設できなくなるなど、シノギは大きく制限されるようになった。それに加えての共謀罪だからこそ、脅威に感じているようだ。神戸山口組三次団体幹部が話す。
「この6月16日、神戸山口組の井上邦雄組長が、山健組に指示して会津小鉄会に傷害や暴力行為を行なわせたとして逮捕された。結果的に起訴されずに釈放されたが、共謀罪が施行されていたら、謀議を行なったことの証明だけで犯罪が成立するので、起訴されていたかもしれない」
本誌が入手した〈共謀罪を考える〉と題された文書は冒頭の勉強会で配布された資料で、5ページで構成されている。
冒頭から〈法律の実績作りのためにヤクザが集中的に対象とされる〉と危機感をあらわにしている。
〈組員が銃や刃物を持っていて銃刀法違反で逮捕された場合、これが警察によって敵対する組幹部を殺害するためだったとでっち上げられ、他の組員、幹部、さらには親分クラスが共謀罪に問われるケースも起こり得る〉
など、想定される適用例を挙げたうえで、さらに共謀罪の対象となりうるケースとならないケースを一覧表で対比。その見せ方は“独特”だ。