国際情報

日中戦争80年目のスクープ写真入手 南京事件前夜の真実とは

上海郊外・宝山にあったと推定される野戦病院

 日中戦争勃発から80年。長期に及んだ戦いのうち、1937年12月に起きた「南京事件」をめぐっては中国が「犠牲者は30万人」と根拠なく主張し、“歴史戦”が続いている。中国の一方的な主張に反論するためにも、あるいは旧日本軍の行動を正しく知るためにも、当時、中国で何が起きたのかを史料に基づき検証する必要がある。

 報道カメラマンの横田徹氏は、「南京事件」前夜の上海戦(同年8月~)の際に当地で日本軍によって写された貴重なフィルムを入手した。1年にわたる取材で、これらの写真は非常に史料的価値が高いことが判明した。ここでその一部を紹介する。

 * * *
 栃木県内で開かれたフリーマーケットの店先で、偶然見つけた6冊のネガアルバム。時代を感じさせる革製のカバーには手書きで「上海戦」「上海出征」「中支」などと書かれ、中を開くとブローニーサイズ(6×6cm判)のモノクロ・フィルムがぎっしりと詰まっている。

 フィルムホルダーから1枚ずつ慎重にネガを引き抜き照明にかざして見ると、そこには戦火で廃墟と化した街、行軍する日本兵や病院で治療を受ける日本兵、白骨化した遺体などが写っていた。

 これまでも各地のフリーマーケットで日中戦争や太平洋戦争当時の写真が売られているのを目にしていたが、多くは記念写真として撮られた兵士の集合写真やポートレートなどで、風景といえば戦場から離れた場所ばかりだった。

 使用されたフィルムはライカ判と呼ばれる35mmフィルムが一般的で、今回のような中判サイズは見たことがない。ライカ判に比べてブローニーフィルムは面積が大きく、引き伸ばしても細部までくっきりと判別できる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン