国内

小林よしのり氏が改憲論者へ「明治憲法も薩長の押しつけ」

小林よしのり氏が歪な改憲論者に物申す

 SAPIO連載中の小林よしのり氏『大東亜論』は、アジアの巨人と呼ばれた頭山満が、アジア主義を掲げ、欧米の帝国主義と闘った物語である。彼と玄洋社は、急速な西洋化を推し進める、専制に堕した薩長藩閥政府と激烈な闘いを繰り広げた。自由民権運動である。小林氏は大日本帝国憲法制定の過程を見れば、薩長閥がいかに民の声を封殺したかが見えてくると指摘する。

 * * *
 日本国憲法はGHQの「押しつけ憲法」だと、改憲を主張する論者は幾度となく非難してきた。

 その一方で、彼らの中には日本国憲法を否定する反動なのか、大日本帝国憲法(明治憲法)を高く評価する者が多く、自主憲法制定ではなく、明治憲法をそのまま復活させるべきだと主張する者もいるほどだ。

 だが、わしは(雑誌)SAPIO連載中の『大東亜論』を描いていくうちに、明治憲法だって「押しつけ憲法」じゃないかと思うようになった。

『大東亜論』の第三部をまとめた新刊『明治日本を作った男達』が発売された。これは明治の自由民権運動の興隆を描いた物語で、民間で作成された私擬憲法について詳しく描き下ろした漫画も収録している。

 自由民権運動が盛んとなった明治10年代半ば以降、民間による私擬憲法草案が盛んに作成された。中でも有名なのは「五日市憲法」だが、他にも現在に伝わるものだけで40以上、憲法という体裁は整えていないが、独自の国家構想案を作成したと見なせるものまで含めると、90を超えるという。

 だが明治憲法はこのような全国に広がった民意とは全く関係なく、薩長藩閥政府の手だけで作成され、一般国民は憲法発布まで、その内容に関して何一つ知らされなかった。これこそ「押しつけ」ではないか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン