国内

「平成維新」を経験した大前研一氏が考える都民ファの行く末

新たな政治ブームの命は短い Rodrigo Reyes Marin/AFLO

 安倍政権に対する不信感は「都民ファーストブーム」を呼び込み、都民ならずとも「これで何かが変わるかもしれない」と期待を寄せている。だが、大前研一氏は「このブームはあっという間に去るだろう」と分析する。

 * * *
 早くも、7月の東京都議会議員選挙で圧勝した「都民ファーストの会」の都議に対する疑問の声が上がり始めている。すでに不祥事が取り沙汰されている元自民党代議士秘書をはじめ、55人の“小池チルドレン”の中には相当数のゲテモノ議員が含まれていると思う。

 小池百合子知事は都議選で初当選した新人を対象にした研修会で「スタッフをしもべとして扱わないように」「小さなことが大きな問題になる」などと心構えを説いた。

 政策よりも躾が先、と小池知事も心得ているということだが、ボロが出ないように彼らをコントロールして人気を維持していくのは至難の業だろう。

 そもそも、これまでの新しい政治ブーム、政党ブームは、いずれも選挙1回で賞味期限が切れている。

 たとえば、私が政策集団「平成維新の会」を立ち上げた直後の1993年の総選挙では、「生活者主権の国づくり」という平成維新の考え方に賛同して、日本を変えるための83法案を議員立法で成立させると約束した108人の候補者を政党に関係なく推薦し、そのうち82人が当選した。まさに「平成維新ブーム」が起きたのである。

 ところが、当選した代議士たちは約束を破り、誰も真剣に83法案の議員立法に取り組もうとしなかった。そこで業を煮やした私は「知事連合」や「道州制」による中央集権の打破と真の地方自治を訴え、自ら1995年の東京都知事選挙に出馬したが、「ちゃぶ台をひっくり返してやる」と叫んだ青島幸男氏に惨敗した。わずか2年の間に、平成維新ブームは終わったのである。

関連記事

トピックス

硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏
【広陵野球部・暴力問題で被害者父が告白】中井監督の退任後も「学校から連絡なし」…ほとぼり冷めたら復帰する可能性も 学校側は「警察の捜査に誠実に対応中」と回答
NEWSポストセブン
隆盛する女性用ファンタジーマッサージの配信番組が企画されていたという(左はイメージ、右は東京秘密基地HPより)
グローバル動画配信サービスが「女性用ファンタジーマッサージ店」と進めていた「男性セラピストのオーディション番組」、出演した20代女性が語った“撮影現場”「有名女性タレントがマッサージを受け、男性の施術を評価して…」
NEWSポストセブン
『1億2千万人アンケート タミ様のお告げ』(TBS系)では関東特集が放送される(番組公式HPより)
《「もう“関東”に行ったのか…」の声も》バラエティの「関東特集」は番組打ち切りの“危険なサイン”? 「延命措置に過ぎない」とも言われる企画が作られる理由
NEWSポストセブン
海外SNSで大流行している“ニッキー・チャレンジ”(Instagramより)
【ピンヒールで危険な姿勢に…】海外SNSで大流行“ニッキー・チャレンジ”、生後2週間の赤ちゃんを巻き込んだインフルエンサーの動画に非難殺到
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン