「宗男みたいなおじさんが、実際側にいたら、めんどくさそう(笑い)だけど、楽しいだろうな~。ぼくと宗男の共通点は(と、胸のあたりでハートマークを作り…)好きなことに夢中になったり、興奮してワーワー大騒ぎするところかな。それと、ビートルズが好きなところです。
うちは音楽大好き一家で、父親(季志さん・65才)と祖父(定助さん・故人)がビートルズ好きだったんです。父親は、ビートルズど真ん中の世代なんですが、中学3年生の時に地元・山形のテレビで武道館ライブを見て夢中になり、自分もGSバンドを組んだりしていたようです。
親が好きなものって、中学生くらいの子供は嫌いなもので、ぼくもビートルズは好きではなかったけれど、高校生になって改めて聴いたら『すげえ、いいな』って思って、そこから大好きになりました。
だから、宗男があれだけビートルズに夢中になる気持ちは理解できました。ぼくも宗男と同じように高校時代、音楽雑誌を保存用と切り抜き用に2冊買って、ビートルズはもちろん、ブルーハーツやフリッパーズ・ギター、オアシス、ニルヴァーナ…などの写真を、部屋の壁に貼っていたし。今でも実家の部屋は、そのままの状態で残っています」
彼が高校卒業まで過ごした、山形県東村山郡山辺町の青春時代は、まさに宗男の青春と重なるものだ。
「山形で過ごした時代が、人生でいちばん音楽を聴いていましたね。当時、映画も大好きで、クエンティン・タランティーノ監督の作品や、ロバート・デ・ニーロ主演の『タクシードライバー』などをよく見てました。夜8時になると、シャッターが閉まって、誰も歩いていないような町だったけれど、いろんな情報がない分、貪欲に好きなものと向き合えて、映画にせよ、音楽にせよ、深く吸収できたような気がしています」
撮影/森浩司
※女性セブン2017年8月24・31日号