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保守派の大重鎮・西尾幹二氏「鬼気迫る安倍批判」の真意

保守派の大重鎮・西尾幹二氏が安倍批判(写真・時事通信フォト)

 もともと相容れぬ敵から太刀を浴びせられるより、一度は信じた相手から裏切られたほうが、傷口は深い。ついに始まった保守論客による安倍批判は、まさにそれだ。安倍政権を信じて支え、挙げ句に裏切られたことのショックは、これまでにない強烈な批判に転じて、首相に襲いかかろうとしている。

〈憲法改正をやるやると言っては出したり引っ込めたりしてきた首相に国民はすでに手抜きと保身、臆病風、闘争心の欠如を見ている。外国人も見ている。それなのに憲法改正は結局、やれそうもないという最近の党内の新たな空気の変化と首相の及び腰は、国民に対する裏切りともいうべき一大問題になり始めている〉

 保身、臆病風、及び腰、裏切り……激しい言葉が並んだ痛烈な安倍批判を書いたのは、保守論客として知られる西尾幹二氏で、掲載されたのは産経新聞(8月18日付)である。

 安倍首相を応援してきた保守派から批判が上がるなど、これまでなら考えられなかった。まして「新しい歴史教科書をつくる会」初代会長を務めた保守派の大重鎮である西尾氏は、かつて安倍首相に大きな期待を寄せ、5年前の第二次政権発足後には月刊誌『WiLL』に「安倍内閣の世界史的使命」という大型論文でエールを送った人物である。

 その西尾氏が、「民族の生存懸けた政治議論を」と題した痛烈な安倍批判を、保守系メディアの本流である産経新聞に掲載した。

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