「渡瀬さんの家に電話すると再婚した奥さんが出て、私が『大原です』と名乗ると、『ギャッ』と驚かれちゃうのよ」なんて笑って話すんです。テレビを見ていても、「カヨさん、渡瀬さんが出てるわよ、フフフ」って、いつも嬉しそうにしていました。
渡瀬さんも、そんな麗子さんをずっと気遣ってくれていた。麗子さんのお別れ会のときには、人目につかない席でひっそり涙を流してくださいました。
〈渡瀬との離婚から2年後の1980年、大原さんは森と再婚する。結婚式では、憧れていた「ユキトリヰ」のウェディングドレス姿を披露した〉
麗子さんは離婚すると、結婚生活に関係するものはなんでも勝手に処分しちゃう。
渡瀬さんや森さんとの写真も自宅の焼却炉で燃やしてしまったんだけど、ウェディングドレスだけは私に「処分して」と頼んできた。私に押し付ければ、捨てたりしないことをわかっていたんでしょうね。それくらい思い入れのあるドレスだったんだと思います。今も私が大事に預かっているんです。
●聞き手/宇都宮直子(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2017年9月8日号