●国本はる乃
21歳にして芸歴12年である。
「9歳の時に父の紹介で国本晴美師匠の下で浪曲を始めたんですが、小中学校時代は稽古に行くのが嫌で」
小学校時代はピアノ、水泳を習い、中学時代はドラムを叩き、吹奏楽部でトランペットを吹いた。高校は剣道部だったが、こうしてみると肺活量を増し、発声とリズム感を鍛える経験を積んできている。はる乃の美声はこれらの産物でもあると言える。その声と三味線が一体化した、と自身が感じた高座が2度ある。
「1回目は木馬亭での『秋色桜』、2回目は道楽亭での『真柄のお秀』で両方とも三味線は沢村豊子師匠でした。やり切った感があったので最高でした」
『真柄のお秀』は、これから十八番に育てていくという。
【プロフィール】1996年茨城県生まれ。2005年、国本晴美に入門
■取材・文/佐藤俊
■撮影:ヤナガワゴーッ!
※週刊ポスト2017年9月15日号