年に1度、自宅に送られてくる「年金振込通知書」は目を皿のようにしてチェックしなければならないだろう。

 2つ目の問題は、今回、年金機構が「未払いがないかどうか」を総チェックしたのは「振替加算」だけで、前述の「加給年金」についてはまだチェックしていないということだ。

「加給年金も振替加算も、自動的に受け取れるものではありません。自分から届け出をすることが必要です」(北村氏)

 妻が年下の夫婦の場合、夫が65才になったタイミング(初めて年金を請求する時)で年金事務所に届け出ないと、加給年金は受け取れない。同様に、妻が年上の夫婦が振替加算を受け取るためには、夫が65才になった時に届け出が必要だ。

「今回の年金機構の調査では、制度をよく知らずに届け出をしなかった約1万2000人が振替加算を受け取れなかったことがわかりました。ところが、同じように届け出が必要な加給年金については、どれだけの人がうっかり届け出を忘れているのかはわかっていません」(北村氏)

 日本では圧倒的に年下妻夫婦の方が多いことを考えると、本誌試算では、全国でおよそ5万人が加給年金の届け出を忘れて、未払いのままになっていると推定される。

「年金制度は何度も制度改革され、年金機構の職員さえよく理解できないほど複雑怪奇になっています。そもそも年金を支払うことは義務なのに、もらう際には自分で申請しなければならないというのは不公平です」(北村氏)

※女性セブン2017年10月5日号

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