35打数で3本塁打の宇佐見に対して、377打数で2本塁打の小林。捕手は守備最優先と言われるが、宇佐見の打撃を活かさない采配は本当に有効だったのか。しかも、勝負所の9月に巨人打線は月間打率2割3分3厘と苦しんだだけに、同月のスタメン捕手が全試合小林だったところに疑問符が付けられる。
「10月1日の阪神戦では、2対1とリードを許している4回裏に2死満塁で小林に打席が回ってきました。ファーストストライクの甘い球を見逃し、結局空振り三振。シーズン序盤ならいざ知らず、もう後がない一戦なのだから、4回に代打・宇佐見で勝負に出ても良かった。阪神はリリーフ陣が鉄壁ですから、早い回で追いつかないと厳しくなります。6回、小林のところで宇佐見を代打に送り、死球で出塁しましたが、ワンテンポ遅かった。高橋由伸監督の決断の鈍さが1点負け13勝27敗という接戦の弱さに繋がったのではないでしょうか」(同前)
リーグ最少失点、防御率1位のチームがBクラスは史上初の珍事。決して戦力が整っていなかったわけではない。現役時代、初球から積極的に振ることで投手に恐怖感を与えていた由伸監督。3年契約最終年の来季は変わった姿を見せられるか。