さらに、先月まで放送されたドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)は、ヒロイン・カホコ(高畑充希)とLINEでメッセージのやり取りができる「AIカホコ」を開発。登録者数44万人、総会話数1億回を突破するなど、番組のPRに大きく貢献したことがニュースになりました。
このニュースは、「視聴者のAIに対する関心がいかに高いか」を物語っています。近年、「テレビは似た番組ばかり」「企画も出演者もマンネリ」と言われがちなだけに、「AIを使うことで、視聴者に見たことのないものへのワクワクを感じてもらおう」という意図があるのでしょう。
視聴者の関心に応えられる技術の進歩も、AIを使った番組を後押ししています。会話、運転、医療手術、絵画など各分野の技術が視聴者の予想を超えるスピードで進化しているだけに、番組制作サイドとしては「今、これを使わない手はない」というのが本音。たとえば、tottoは、黒柳徹子さんを3Dカメラでスキャンして等身大の型を作ったほか、細かい表情、仕草、癖なども正確に表現しているそうです。
また、声も『徹子の部屋』(テレビ朝日系)の会話データをもとに最新の音声合成技術で再現し、自律会話システムを搭載して本人に近いトークを実現。2015年4~9月に放送された『マツコとマツコ』(日本テレビ系)のマツコロイドはモノマネ芸人のホリさんが声を担当していたので、「約2年でさらに進化した」ということになります。
◆魅力はタレントにはない奇想天外さ