ビジネス

「孤独死保険」に注目集まる おひとりさま老後の悲しい現実

高齢者の独り暮らしに逆風が(写真はイメージ)

 独り暮らしの高齢者が増える中、保険各社が販売する「孤独死保険」が注目されている。そこからは人生の“清算費用”をめぐるシビアな現実が浮かび上がる。

 内閣府調査によると、2000年に約300万人だった65歳以上の独居高齢者は2015年には約600万人へと倍増した。それに伴い、「孤独死」も激増している。

 日本少額短期保険協会の「孤独死の現状レポート」(2016年3月)によると、東京23区内の65歳以上の孤独死者数は、2002年の1364人から2014年には2885人に増加。遺体発見までの平均日数は、男性で23日、女性で7日だという。

 問題は死んだ後だ。住宅で孤独死が発生し、遺体が何日もそのままになると、腐敗が進行して異臭騒ぎが起きることもある。特殊清掃会社「A&Tコーポレーション」の高江洲敦氏が説明する。

「4階で亡くなった人の体液が、3階を通過して2階の天井まで染み出したケースもありました。ハエの駆除だけでも大変な手間がかかりますし、完全に綺麗にするには、部屋全体をリフォームするしかありません」

 部屋をリフォームしても、その後の入居者が見つからないケースは多い。前述の「孤独死の現状レポート」によると、孤独死者の残置物処理費用や原状回復費用の合計額は平均60万円前後に及ぶ。身寄りのない人が亡くなった場合は、それを家主が負担することになる。

 そこで、大手の損保会社は孤独死が社会問題化した2015年ごろから、賃貸物件の家主向け保険商品を相次いで発売しているのだ。

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン