しかし、2人が秘密の男女関係だった場合には女性が性行為自体を隠そうとするケースもあるという。
「救急車が到着する前に女性が慌てて痕跡を消そうとしたものの、男性のパンツが裏返っていたり性器にティッシュがついていたケースがありました。バレなければただの病死として処理されますから、実際の腹上死はもっと多いのかもしれません」(前出・上野氏)
相手女性がうろたえるのも仕方ないが、遺族はそれ以上のショックを受ける。富家氏の知人男性の話にはこんな後日談がある。
「亡くなった男性の長女は父親のことを真面目で誠実な人だと信じきっていたから、死亡時の状況を聞かされても『父はそんなことしない!』と大騒ぎしたそうです。不倫で腹上死したら、残された家族はその事実を詳細に知ることになる。救急搬送や解剖は行政手続きですから、遺族に隠すことはできません」(富家氏)
戦後の内閣総理大臣から著名作家、アジアを代表するアクション俳優なども真偽は不明だが、腹上死と囁かれた。最近でも、角界を代表する親方がラブホテルで急逝。死因が急性心不全だったこともあり、この疑いが掛けられた。憧れを抱くのは自由だが、理想と現実を見つめ直すべきかもしれない。
※週刊ポスト2017年11月10日号