芸能

柳家小三治 77歳の人間国宝が完全復帰、マクラも健在

人間国宝が療養から完全復帰

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の連載「落語の目利き」より、先頃、療養から復帰した10代目柳家小三治についてお届けする。

 * * *
 9月19日、大田区民ホールアプリコ(東京・蒲田)の「柳家小三治一門会」に行った。病気療養から復帰して初めて観る小三治の高座だ。

「右手が思うように上がらないので、できない噺がある」と小三治が高座で口にしたのは今年6月。8月に入ると「今月下旬に首の手術を受けて療養する」と発表があり、9月6日の目黒での一門会と9月9日の千葉県松戸市での独演会は中止となった。

 その発表の1週間後(8月13日)、有楽町のよみうりホールで「小三治一門会」があった。三三、〆治、三之助と3人の弟子が高座を務めた後、トリの小三治は病気の話題に触れることなく『死神』をみっちりと演じた。飄々とした死神のキャラが特徴的で、落語らしく軽やかに演じられる小三治版『死神』の楽しさはいつもどおり。体調不良の影響はまったく感じられなかった。

 正式な病名は「変形性頸椎症」。8月21日に頸椎の手術を受けた小三治は3週間のリハビリを経て9月13日、岐阜県多治見市の落語会で高座復帰を果たし、『粗忽長屋』を演じたという。それに続いての高座が19日の蒲田。チケット発売時には「小三治独演会」だったが、復帰して間もないということで一門会に変更となった。

 孫弟子の小八(喜多八の弟子)、弟子の〆治、一琴に続いて小三治がトリで登場。まずは「頸椎の手術で3週間ちょっと入院しまして」と報告。入院したのは京都の病院だったと明かすと、リハビリのために京都を歩き回ったという話題へ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン