芸能

朝ドラ『わろてんか』 残念ながら現時点では笑えない理由

番組公式HPより

 ここのところヒット作が続いていた朝ドラだが、今作はどうか。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
「笑ってください」という意味のタイトルを掲げたNHK 朝ドラ『わろてんか』もスタートから約1か月。開始当初、このドラマの見所や期待について触れたのですが、残念ながらしばし時が経過して……『わろてんか』が笑えない。なぜなのでしょう? その理由を5つ挙げてみると……。

【1】主人公の二人の関係が見えない

 ヒロインのてん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)。想いを寄せ合い周囲の反対にもめげずに結婚しよう、と駆け落ち同然で家を出たカップル。大恋愛のはずなのに、どうしてもそのような関係に見えてこないのです。互いに見つめ合っても、相手に対する「情」の交流が伝わってこないのです。

 ヒロインの葵さんはいつも口角をあげて固まった「笑顔」。その他に表情の変化がない。新人だから仕方ないのかもしれない。一方、松坂桃李さん演じる藤吉の方も、感情が見えない。いったいなぜ、そこまでてんに惚れるのか惹かれるのか、肝心なところが伝わってこない。松坂さんのてんに対するふるまいは、まるで妹に対する兄みたい。相手が女義太夫のリリコなら、まだ恋愛感情も理解できるのですが……。

 重要な二人の関係がきちんと浮き上がってこないからその他のこともイキイキと伝わってこない、ということなのでしょうか。

【2】「笑い」は結果のはず。なのに……

 面白いことを見て、つい笑いが出てしまう。クスッと笑みがこぼれてしまう。爆笑してしまったりする。ということは、しょっちゅうあります。しかし最初から「笑いとは」みたいな話をされても、白けるばかり。

 この朝ドラでは「笑い」についてよく話題にします。「笑いは人を救う力がある」とか「一生笑わせることを約束した」的な話が多く、そのわりに、笑いを誘うシーンがあまりに少ないのでは。

 もちろん、何とか視聴者を笑わそうとしているのでしょう。不良品のパーマ機を使ったら髪の毛が焦げたり、おばちゃんを無理矢理おねえさんと言い換えさせたり。刃物振り回してのチャンバラごっことか。今どき小学生でも笑わないレベル。これでは大人はちっとも笑えません。

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン