国際情報

日韓中 各国首脳との握手に見るトランプ大統領のご機嫌

握手の仕方でご機嫌が一目瞭然(アフロ)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、各国首脳との握手シーンからトランプ大統領のご機嫌具合を読み解く。

 * * *
 米国のトランプ大統領がアジアを歴訪している。米国との関係を強化し、外交基盤を築こうとする各国だが、日本では「国賓並み」の厚遇でおもてなし。それに対して韓国の文在寅大統領は「国賓」待遇で迎え、中国習近平国家主席はその上をいく「国賓以上」の待遇で歓迎した。はたして各国の思惑通りに事は進んだのか。各国でのトランプ大統領の仕草から見てみよう。

 まずは日本。予定のゴルフ場へ到着したトランプ大統領は、待っていた安倍首相の元へ右手を差し出しながら歩み寄った。安倍首相はその場で手を差し出して握手すると、大統領が首相の二の腕を軽く叩いた。握手しながら相手の二の腕を軽く叩いたり触ったりするのは、トランプ大統領によく見られる親近感を示す仕草だ。

 就任した頃と比べると大統領の握手は、だいぶ大人しくなっている。自分の立場や権力をこれ見よがしに握手で誇示しなくても、よくなったということだろうか。

 迎賓館での歓迎式典では、レッドカーペットの上を並んで歩く安倍首相と歩調がシンクロすることが多々あった。意識せずとも歩幅や歩くペースが同調する“ミラーリング”が見られたのだ。ミラーリングとは仕草や表情などが相手と同調することをいう。互いの存在を受け入れ、相手に対して好意をもっているということだ。北朝鮮問題では見解を一致させた日米2人の首脳の関係は良好なのだろう。

 だが韓国では、日本と違う顔を見せた。大統領府での歓迎式典では、文大統領が車を降りたトランプ大統領に右手を差し出して近づいた。だが、トランプ氏は車のドアの横に立ち、メラニア夫人が反対側から降りてくるのを待ったまま。自分から手を差し出して、積極的に文大統領に歩み寄ろうとする気配が見られない。握手をした時には、トランプ大統領の左手が文大統領の肩甲骨辺りに置かれ、さらにその手が文大統領の右肩を抑えたのだ。

 実は、これと同じことが今年の2月にあった。カナダのトルドー首相をホワイトハウスで出迎えた時だ。トルドー首相は難民受け入れに対して、トランプ大統領とは反対の意を唱えた人物。トルドー首相に良い感情をもっていなかっただろうトランプ大統領は、力比べのような握手とともに彼の肩をがっちりと押さえ込んだのだ。

 北朝鮮への対応では足並みが揃わない米国と韓国。文政権の融和的路線や、中国との関係改善のために米軍の高高度防衛ミサイルTHAADの追加配備をやめるという発表など、トランプ大統領にとっておもしろいはずがない。力ずくででも言うことを聞かせる…、文大統領の肩を押さえたのは、そんな意思が透けて見えるような仕草だ。

関連記事

トピックス

球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン