「いまや自分の病気を理解して最適な診察や治療を受けるには、まず遺伝子を調べることが前提となりつつある。遺伝情報が持つ光と陰の双方に目配りしながら、それを活用しない手はありません」(同前)
11月15日には、東京大学教授・間野博行氏らの研究チームががんの原因や薬の効き目に関係する遺伝子異常を100以上の細胞で一度に手早く確かめる方法を開発したと米科学誌『サイエンス・トランスレーショナル・メディシン』電子版が発表した。
そうした研究の進歩によって、「遺伝だから仕方ない」と諦めていた病気が、「遺伝だったら手を打てる」という前向きな予防対策に変わりつつある。
“未来の病気”を知る恐怖をメリットが上回るようになれば、医療の在り方は大きく変わるだろう。
※週刊ポスト2017年12月1日号