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タイミングを逃すと便意は喪失 便とは神秘的で厄介な存在

排便の仕組みを解説(写真/アフロ)

 高齢者の多くが便秘に悩んでいるといわれる。しかし食事にしろ運動にしろ、あまり激しい対策は難しい。

 便は、尿のように水分を摂ってトイレに行けばいつでも出るわけではない。私たちでも、便意があったときにすぐトイレに行けないと、便意を喪失してしまう。後からトイレに行って力んでみても、すでに時遅し。神秘的で厄介な相手だ。東京都北区・あすか山訪問看護ステーション所長の田中道子さんが排便の仕組みを解説する。

「通常は、食べ物が入ってきた刺激で胃とともに腸が動き出します。小腸で栄養分が吸収され、大腸では水分が吸収されると同時に、残った食物繊維などが便の形を形成しながら、蠕動運動によって腸内をぐるりと移動。肛門近くの直腸まで下りてきます。

 この一連の動きは、意志とは関係なく働く自律神経が司っていて、蠕動運動が盛んになるのは、リラックスした状態で働く副交感神経優位のとき。もっともリラックスした状態は睡眠中ですから、主に寝ている間に腸の蠕動運動が盛んになり、便が肛門近くまで運ばれると、朝、起きる頃に直腸から脳に指令が伝わり、便意を感じます。これが健康的な排便のサイクルです」

 なるほど、リラックスしていないと便が出口まで到達しないということだ。

「高齢者の場合、便の材料になる食べ物が少なく、運ぶ力も弱く、それに加えて睡眠不足になると副交感神経優位にならず、常に緊張した状態。これではなかなか蠕動運動が起こりません。

 すると腸内で便が停滞し、水分が抜けて硬くなり、ひどくなると栓のようになって肛門をふさいでしまいます」

 活動量が減りがちな高齢者は、不眠などの睡眠障害も深刻だといわれるが、セットで悪循環を生んでいるようだ。

「便意を促す直腸からの信号は、しばらくすると発信されなくなります。肛門の筋肉は、脳の指令により動くので、信号が途絶えると排泄できなくなってしまいます。ですから、自然な便意が起こったときに、スムーズにトイレに座ることは、特に高齢者にとっては重要なのです」

※女性セブン2017年11月30日・12月7日号

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