芸能

若女将が語るフジ『花嫁のれん物語』撮影の舞台裏

多田屋の若女将・多田弥生さん(撮影:槇野翔太)

 1995年10月から続くドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系、日曜14時~)は、関東ローカルのみの放送にもかかわらず、全国規模で大反響を巻き起こすことも多い。番組は今年12月で約850回を数えるが、長期で続く人気シリーズも数多い。12年前、明治18(1885)年創業の和倉温泉「多田屋」に嫁いできた多田弥生さんと家族を追い続けた『花嫁のれん物語』もそのひとつだ。弥生さんが、番組撮影の舞台裏を語った。

 * * *
 私が千葉県から石川県七尾市の旅館「多田屋」に嫁いできたのは、約12年前。制作プロデューサーの大里正人さんは、嫁ぐ前から私たちを撮り続けています。

 もともとは、全国の花嫁を特集する2時間番組の出演候補として声をかけていただきました。私たちが能登の伝統的な婚礼儀式である花嫁道中を行なうことを七尾市役所への取材で知った大里さんが、当時、東京・下北沢に住んでいた(夫の)健太郎さんに電話をかけてきたのがきっかけです。

 最初に東京でお会いして経歴を聞かれた際、健太郎さんは「海沿いの小さな民宿みたいな旅館の息子です」、私は「看護師です」と話したことを憶えています。

 それから数日後に電話があり、また会ってほしいと言われました。取材の続きと思ったら、「2時間特番の出演者のひとりではなく、あなたたちだけで1時間番組を作らせてください」と告げられました。それはもう驚き、開口一番、「無理無理! ダメダメ!」と辞退しました。すると、大里さんがこう切り出したのです。

「ザ・ノンフィクションという番組を作っています」

 私、この番組が昔から大好きだったんです。それでも躊躇する私に大里さんは過去に制作した『柴又草だんご頑固物語』の回を見せてくれました。家族の絆を描いた、心温まるいい作品でした。思い直した私は、嫁ぎ先の女将(義母)と会長(義父)にもこれを見てもらい、一家でお受けすることになったのです。

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