芸能

『笑ってはいけない』のベッキーへの尻蹴りが笑えない理由

かつては「強者」だったベッキーも今は「弱者」に?

 2017年12月31日放送の『ダウンタウンのガキの使いやあらへんでSP 絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時』(日本テレビ系)で、ベッキーが2016年の不倫騒動への禊という名目で女性キックボクサーに尻を蹴り上げられるシーンがあった。この企画に対して、ネット上で批判の声が上がっている。芸能担当記者が話す。

「たしかに最近は何でもかんでもクレームを入れるという視聴者も中にはいて、その行為がバラエティ番組をつまらなくさせている大きな原因の1つになっていると思います。しかし、この問題に関しては過剰なクレームという一言では片付けられません」

 6日にはベッキー自身が、「タレントとして本当にありがたかったなと思います」と発言したことで、いったん事態は収束したかに見えるが、当事者が納得していればよい、という問題でもない。わずか2年ほど前、『世界の果てまでイッテQ!』『天才!志村どうぶつ園』(ともに日テレ系)、『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS系、※番組名は当時)など地上波に7本ものレギュラーを持ち、超売れっ子タレントだったベッキーは不倫騒動によって、一気にその地位を失った。

「ベッキーは世間から大バッシングを受け、レギュラー番組を全て失いました。最近では多少、メディア露出が増え始めたとはいえ、タレントとしては非常に厳しい状況と言えるでしょう。そんな“強者”から“弱者”になったベッキーを蹴り上げたら、いじめの構図に見えてしまうんです。

 笑いは、弱者が強者をいじるところから生まれるのではないでしょうか。たとえば、コント55号は萩本欽一が7歳も年上の坂上二郎を舞台上で追い込んでいった。ボケの二郎さんが突っ込みの欽ちゃんより年上だったから、観客は腹を抱えて笑えた。ビートたけしは欽ちゃんが『視聴率100%男』と言われて権威だった時代に、アットホームな笑いを徹底的に批判しました」(同前)

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