「飲み会は無意味」と啓蒙された身になって欲しいが、それは芸を真に受けたコチラに非がある。
その後、相方の春日、プロレス好きの西の影響もあり、プロレス観戦も趣味に。「おうち大好き芸人」でもあった若林、インドアからアウトドアへ転換した。
報道では、南沢奈央とは「共通の趣味であった落語を通じて意気投合」と記述。しかし、当人の口からは「プロレスを通じて仲良くなった」と語られた。
2015年の年末に発行された若林正恭著『社会人大学人見知り学部 卒業見込』。
本著では、自らが真人間に変わり続ける姿が綴られる。
大人になりきれない大人、ピーターパン症候群な芸人が中庸を目指したゆえのはっぴいえんど。それが南沢との交際だったのだろう。
逆に、断固して変わらないのが山里。年収も高く、名声もある。しかし弱者からの目線といった芸風は断固して変えない。甘い誘惑もあるだろうが、それ拒み続けている。
本当の意味で武勇伝。
「山ちゃんカッコいい!」
世の中の価値観を変えたコンビもいつかは乖離する。
ヌーヴェル・ヴァーグのゴダールとトリフォー、
ビートルズのジョン・レノンとポール・マッカトニー、
アップルのスティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアック、
フリッパーズ・ギターの小山田圭吾と小沢健二。
皆、思想の違いで散り散りとなった。
『たりないふたり』の山里亮太と若林正恭も同じ。
変わる素晴らしさを享受した若林、変わらない美しさを保ちたい山里。
これからは、戦場のボーイ・ライフ。
ビートルズ解散後、ジョンを取材した記者がポールの悪口を言った。
それにジョンは「ポールの悪口を言ってもいいのは俺だけだ!」とキレたと云う。
山里のラジオの語り口から同様の気持ちを感じた。
「若林の悪口を言ってもいいのは俺だけだ!」