国内

日本の統治機構は江戸時代のまま 最たるものが「都道府県」

日本の統治機構は何がダメなのか

 この国の仕組みが制度疲労を起こしていることは、火を見るより明らかだろう。だが、なかなか抜本的改革は実現しない。経営コンサルタントの大前研一氏は、「今年が明治150年というなら、国を造り直す真の『維新』をやるべきだ」と指摘する。

 * * *
 今年はNHK大河ドラマ『西郷どん』が放映されるなど、世の中は明治維新150周年記念が花盛りだ。安倍晋三首相も年頭所感や施政方針演説で「本年は、明治維新から150年の節目の年」「明治の先人たちに倣って……今こそ、新しい国創りの時です」と明治維新に倣う姿勢を盛んに強調している。だが、それを言うなら、文字通り「維新」=国を造り替える革命を実現すべきだ。

 平成が始まった30年前、私は「平成維新」と銘打ち、江戸時代から続く日本の中央集権の統治機構はゼロベースの改革で根本的に造り直さなければならないと主張した。同名の書籍は100万部以上も売れるベストセラーとなり、「新・薩長連合」を立ち上げて道州制の導入や統治機構改革などを提唱した。しかし、その具体的な問題解決策は、残念ながら未だに何一つとして実現していない。

 なぜゼロベースの改革が必要なのか? これは会社でも同じだが、既存のシステムを前提として少しずつ直すというやり方では、本質は変わらないからだ。その場しのぎの小手先の改革はすぐに陳腐化してしまうので、制度疲労した組織やシステムはゼロから造り直すべきなのである。つまり、日本が現在の低迷・停滞から脱するためには、150年前の明治維新と同じような「革命」を起こさなければならないのだ。

 この国の統治機構は基本的に江戸時代のままで過度な中央集権となっているし、それに上塗りしただけの明治時代の名残も山ほどある。

 その最たるものが「都道府県」だ。

関連記事

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン