芸能

ブルゾンや渡辺直美 女芸人メイクが支持される理由

女芸人メイクが若い女子のお手本に

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、変わりつつある女芸人の地位について考察。

 * * *
 昨年、大ブレイクしたブルゾンちえみや、“インスタの女王”渡辺直美、登美丘高校ダンス部による“バブリーダンス”のブレイクに貢献した平野ノラら、若い女性にメイクを真似される女芸人が増えている。

 太くて目尻までハネさせるアイラインや真っ赤な口紅が特徴のブルゾン。ピンクのチークや、本来の輪郭より大きく描き、グロスたっぷりなリップが印象的な渡辺。そして、バブル時代の作り込んだメイクの平野は、いずれも「メイクしている」と誰もが認識できる、濃い目なメイクである。

 他にも、チークがアイコンのガンバレル―ヤ、ゆりやんレトリィバァなど、“扮装”に近いメイクの女芸人に勢いが感じられる。

 かつては、アジアンの馬場園梓に代表される“おしゃれ女芸人”に注目が集まっていた。コンセプトは原色使いだったり、柄同士の組み合わせで、大阪では「アムラー」ならぬ「ババラー」なる女子が多く居たものだ。思えば、それらは、イマドキの若手カリスマモデルたちと同じワザである。

 あれから10年ほどが経ち、いま、女芸人は「おしゃれであることが当たり前」になっていて、続いて注目されているのがメイクなのだ。

 いまのアラフォーやアラフィフが若かりし頃、ナチュラルでコンサバな男子ウケの高いメイクをしていたのに対して、いまの若い女性たちはモード系の「作り込んだ」メイクを好む。そんな彼女たちにとって、女芸人らのメイクは、模範的であるようだ。

 実は、アラ還以上の女性たちには、しっかりメイクをしている人たちが多い。眉にアートメイクを施した最初の年代も、つけまつげに最初に手を伸ばしたのも、太目のアイラインを引いたのも、この年代。1960年代から70年代の歌手や女優の“しっかりメイク”を真似ていたからだと思う。

 大相撲の問題で、その発言がメディアを騒がせた池坊保子氏や、石原慎太郎氏にズバリ「厚化粧」と言われた小池百合子東京都知事などもその年代。同性でもあり年代も近い筆者から見ると、ことさら濃いメイクであるようには思えないが、オジサンを中心に、男性からは批判の対象になっている。

 美容雑誌などに度々記されているのは、「女性は、自分がいちばん輝いていた時期のメイクで止まってしまっている」ということ。“輝いていた時期”とは、若かりし頃を指しており、そのときにしていたメイクを、年齢を重ねても、やり続けているというのだ。

 それは、メイクを覚えたての時期にも重なり、当時のトレンドのまま、眉の太さから頬紅を入れる位置、アイシャドーや口紅の色などを変えていないという意味。髪型や服装は何とかトレンドに合わせるものの、メイクだけは、覚えているままに指を走らせ、鏡の中の自分が「もっとも落ち着く顔」が完成形である。

 そんな中、旬の女芸人によるメイクを真似する若い女性は、「トレンドを押さえている」という感覚のようだ。

 今いくよ今くるよさんの昔から、女芸人は濃いメイクをツッコミ合っていたものだが、その流れがずっと続いていたワケではない。

関連記事

トピックス

盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
モサドの次なる標的とは(右はモサド長官のダビデ・バルネア氏、左はネタニヤフ首相/共同通信社)
イスラエルの対イラン「ライジング・ライオン作戦」を成功させた“世界最強諜報機関”モサドのベールに包まれた業務 イラン防諜部隊のトップ以下20人を二重スパイにした実績も
週刊ポスト
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン