国内

自称「仮想通貨女子」に450万円騙し取られた46歳男性の嘆息

勉強熱心な「仮想通貨女子」に紛れてニセモノが…

 カメラ女子、刀剣女子、カープ女子など、従来は熱心に取り組む女性が少なかったジャンルにその姿が増えはじめると「○○女子」と呼ばれたり、自称するようになる現象が続いている。新しいところでは、ビットコインなどの仮想通貨の投資や運用に熱心な「仮想通貨女子」がある。ライターの森鷹久氏が、仮想通貨女子を名乗る女性のひとりとの出会いをきっかけに、大金を失った男性の体験を聞いた。

 * * *
 通勤途中の電車の中で、とある雑誌を読んでいた満本太郎さん(仮名・46歳)は思わず「あっ!」と声を上げた。”仮想通貨女子”として雑誌の企画に登場していたその女こそ、かつては憧れ、今では忌々しい”ドロボウ猫”としか思えないA香(30代)だったからだ。

「SNSを通じて知り合った男性から”投資に興味はないか”と誘われ参加したセミナーにA香はいたんです。独り身の静かな生活で貯め込んだ一千万は、三分の一以上をA香に吸い取られた……。おいしい話はない、とわかっていたのに……」

 下唇を噛み締め話す満本さんだが、昼間は上場一部の鉄鋼メーカーに勤務するバリバリのサラリーマン。仕事以外にとくに打ち込むものもなかったので、同僚に勧められて株式投資を始めると貯蓄が1.5倍に増えた。これに気をよくして、本業をおざなりにしてまで「投資」にどっぷりハマっていった。そんな時、知人経由で連れて行かれたのが「仮想通貨投資セミナー」だった。

「ちょうど昨年の10月末頃です。セミナーにいた女性数人のグループが、全員資産が数千万から数億円という”億り人”などと呼ばれていました。A香も、仮想通貨で数百万を一億円近くまで膨らませた、と吹聴していました」

 モデルのようなスタイルで品が良く、それでいて身体中から溢れるセクシーな雰囲気。男好きするA香から「一緒に投資をしましょう」と言われると、女性に免疫のない満本さんは舞い上がってしまい、言われるがまま、まずは150万円をA香に手渡した。A香が金を預かり、自身の裁量で投資して資産を増やす……。冷静に考えれば詐欺を疑う怪しい手法ではあったが、満本さんにはすでに冷静さを失っていた。

「若くて美しい女性が僕に振り向くことはないが、僕の金に魅了されることはあるでしょう。でもA香は違った。そこまで若いわけではないし、自身は裕福だし、僕を選んでくれたのは”安定”の部分を見てくれたのだと」

 すでにA香と肉体関係を持っていた満本さんは、当時は本気で結婚まで考えていたという。しかし、破局はすぐに訪れた。そしてそれは、気変わりなどではなく、やはり”カネ”にまつわることがきっかけだった。

「A香は、仮想通貨の”リップル”に投資した、と話していました。リップルの価格が昨年末急激に上昇し、これは儲かったと思いA香に連絡しましたが、聞いてもはぐらかされるだけ。次第に電話にも出ないようになり、やはり騙されたのかと気がつきました」

 はじめの150万円に加え、追加で300万円をすでにA香に渡していたのだから、満本さんも気が気でない。気持ちを確かめたわけではないが、本気で結婚を考えていた女性に、借用書も書かずにカネを渡していた自分を心から恥じた。そして、別のセミナーにA香が出席することを知った満本さんは、会場前で出待ちし、後をつけ、A香の家を割り出したのだった。そしてA香を問い詰めた。ところが……。

「カネは”信用できる交換所に入れてある”というばかり。証拠を見せろと言っても何もない。次第に、預かったカネには運用委託料もコンサル料も含まれている、などと訳のわからないことを言いだしました。警察を呼ぶ、訴える、と僕がいうと、部屋の奥から出てきたのは浅黒く、いかにもカタギではない雰囲気の男性。僕をストーカーだと決めつけ、不退去罪で警察を呼ぶと逆に怒鳴られてしまって……」

 すごすごと退散した満本さんだが、その後もA香とメールでのやり取りだけは続けていた。相変わらず「カネは心配ない」という返答が続いていたが、それが「返せないかも」になったのは、今年1月26日以降。大手仮想通貨取引所「コインチェック」で仮想通貨流出事件が発生、取引所の閉鎖騒動が発生した日からだ。

関連記事

トピックス

62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《累計閲覧数は12億回超え》国民の注目の的となっている宮内庁インスタグラム 「いいね」ランキング上位には天皇ご一家の「タケノコ掘り」「海水浴」 
女性セブン
高市早苗・首相はどんな“野望”を抱き、何をやろうとしているのか(時事通信フォト)
《高市首相は2026年に何をやるつもりなのか?》「スパイ防止法」「国旗毀損罪」「日本版CIA創設法案」…予想されるタカ派法案の提出、狙うは保守勢力による政権基盤強化か
週刊ポスト
ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン
今の巨人に必要なのは?(阿部慎之助・監督)
巨人・阿部慎之助監督「契約最終年」の険しい道 坂本や丸の復活よりも「脅かす若手の覚醒がないとAクラスの上位争いは厳しい」とOBが指摘
週刊ポスト
大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、不動産業者のSNSに短パン&サンダル姿で登場、ハワイの高級リゾードをめぐる訴訟は泥沼化でも余裕の笑み「それでもハワイがいい」 
女性セブン
中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
《再スタート準備》中居正広氏が進める「違約金返済」、今も売却せず所有し続ける「亡き父にプレゼントしたマンション」…長兄は直撃に言葉少な
NEWSポストセブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《ベリーショートのフェミニスト役で復活》永野芽郁が演じる「性に開放的な女性ヒロイン役」で清純派脱却か…本人がこだわった“女優としての復帰”と“ケジメ”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の一足早い「お正月」》司組長が盃を飲み干した「組長8人との盃儀式」の全貌 50名以上の警察が日の出前から熱視線
NEWSポストセブン
垂秀夫・前駐中国大使へ「中国の盗聴工作」が発覚(時事通信フォト)
《スクープ》前駐中国大使に仕掛けた中国の盗聴工作 舞台となった北京の日本料理店経営者が証言 機密指定の情報のはずが当の大使が暴露、大騒動の一部始終
週刊ポスト
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
安達祐実、NHK敏腕プロデューサーと「ファミリー向けマンション」半同棲で描く“将来設計” 局内で広がりつつある新恋人の「呼び名」
NEWSポストセブン
還暦を迎えられた秋篠宮さま(時事通信フォト)
《車の中でモクモクと…》秋篠宮さまの“ルール違反”疑う声に宮内庁が回答 紀子さまが心配した「夫のタバコ事情」
NEWSポストセブン
熱愛が報じられた長谷川京子
《磨きがかかる胸元》長谷川京子(47)、熱愛報道の“イケメン紳士”は「7歳下の慶應ボーイ」でアパレル会社を経営 タクシー内キスのカレとは破局か
NEWSポストセブン