今回のファイナルでは、ある事件をきっかけに江戸に戻った狂四郎(田村)が、自分と同じ髪色をし、「父上」と呼ぶ娘・操(吉岡里帆)と出会う。その後、謎めいた妖術と円月殺法を遣う加賀美耀蔵(椎名桔平)の存在を知った狂四郎は、運命に導かれるように自らの過去と向き合うことになる。

 吉岡は、時代劇初出演。京都生まれで時代劇出演をずっと願っていたという。また、円月殺法のシーンは撮影に3日間かけ、田村本人が「大変なスケールになる」と語っている。思えば、田村正和はフジテレビと縁が深い主役だ。1970年代には『眠狂四郎』、1980年代には、『番町皿屋敷』『髑髏検校』など怪談時代劇に出演する一方、『ニューヨーク恋物語』をヒットさせている。怪談とラブストーリーの両方で主役をできるのも田村正和ならではだ。さらに1990年代には『古畑任三郎』シリーズで高視聴率を獲得。2000年代にも『さよなら、小津先生』に出演。すべて主演だ。

 今回は自らのキャリアの締めくくりを考えて、この作品を選んだという。仕事のときには朝四時起床(!)で夜間撮影は苦手と語っていた田村正和が、夜型ヒーロー狂四郎でフジテレビのドラマに、時代劇にどんな足跡を記すか。見なきゃ、円月殺法!

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