安倍首相がこの時期に若手議員全員にコース料理を振る舞ったのは、秋の自民党総裁選をにらんだ多数派工作の意図があるのは明白だ。とくに88人いる3回生議員は、どんなに出来が悪くても総裁選のキャスティングボートを握るだけの勢力を持つ。政治ジャーナリストの野上忠興氏が指摘する。
「安倍首相のやっていることは大嫌いな中国の習近平国家主席とそっくりです。習氏は独裁的な権力を握るために憲法を改正して国家主席の任期の制限を撤廃しようとしており、それを欧米から独裁強化だと批判されている。安倍首相も自民党の党則を改正して総裁3選の超長期政権をめざし、憲法改正しようとしている。日本は中国を非民主的だと批判できない」
懇親会の最後には、首相は出席者1人ずつとツーショット写真の撮影に応じた。それも隣国の“皇帝”の姿を彷彿させる。
普通選挙のない国のトップの取り巻きと同列に論じられてしまう自民党の若手議員──彼らを最大の“支持基盤”として、自民党総裁選での安倍3選が決まろうとしているのだ。
※週刊ポスト2018年3月16日号