「お酒を飲むとタガが外れて夫や彼氏に暴言を吐くなど、“アルハラ”をする女性が増えているんです。日常にストレスを感じていたり、真面目で息抜きが下手な女性は、お酒を飲むとアルハラに発展する傾向にあるようです」
「アルハラ」とは、「アルコールハラスメント」のこと。お酒にまつわる嫌がらせの総称で、「飲酒」や「一気飲み」の強要のほか、「飲めない人への配慮を欠くこと」や「酔ったうえでの迷惑行為」がアルハラにあたる。冒頭の辺見の一言もパートナーが傷ついたと感じれば、立派なアルハラだろう。
取材を進めると、次から次へと“失敗談”が寄せられた。30代会社員・A子さんが話す。
「つきあい出して2か月、いちばんラブラブな時期でした。彼とお酒を飲んでいる時、つい気分がよくなって、元彼が買ってくれたものや、連れて行ってくれたレストランなど、細かく過去の話をしてしまったんです。彼を嫉妬させたかっただけなんですが…。彼は『本当に聞きたくなかった』と肩を落とし、その後数日間は気まずい空気が続きました」
「普段から酒癖が悪いという自覚はあった」と言う40代会社員・B子さんは過去の過ちを振り返る。
「年下の恋人ができ、すぐ一緒に住み始め、結婚式の日取りも決めました。しかし直前に彼の借金が発覚。話し合いをして『無駄遣いはやめよう』ということで、ひとまずは落ち着いたのですが、どうにも腹の虫がおさまらなかった。
毎晩お酒を飲むようになり、封印していた私の暴力が始まってしまった。“この甲斐性なし!”と毎晩罵りながら殴った結果、最初は我慢してくれていた彼も最後は『もうムリだ…』となって破談になりました」
離婚問題に詳しいフラクタル法律事務所の堀井亜生弁護士が解説する。
「相手が嫌だと思えばそれはハラスメントです。暴行はもちろん、暴言を吐き続けると内容や回数によっては離婚の原因として認められます。泥酔中の犯行で罪に問われた判例はいくつもあります。“酔っていたから”は言い訳になりません」
※女性セブン2018年3月29日・4月5日号