「運動機能や感覚機能の衰えは、加齢だけはなく運動不足も原因。加齢を止めることはできませんが、運動は何才からでも始められる、もっとも簡単で有効な予防策です。よく“転倒予防には脚の筋トレ”と思われがちですが、日常の活動には、筋力だけでなく全身の運動・感覚機能を総動員しています。
ですから全身の機能を総合的に高めることが重要です。特に高齢者なら、スポーツジムで筋肉だけを鍛えるのではなく、陽光降り注ぐ屋外に出て、『歩く』『またぐ』『のぼって降りる』という動作を意識しながら、20分ほどを目安にしっかり歩いてください。
速く歩く必要はありません。急いで転ばないよう、むしろゆっくり、しっかりと。毎日でなくてもOK。週4日くらいのペースでよいので、長く続けて習慣にすることが大切です。 また、太陽光を浴びることも重要です。骨や筋肉の代謝を促すビタミンDの生成を助けてくれます。
ぜひ、花鳥風月を愛でながら歩くことを楽しんで。風の音や鳥の鳴き声、季節の花々などに目と心を向けることで、自然と五感が刺激されて感覚機能も磨かれます」
※女性セブン2018年3月29日・4月5日号