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佐川宣寿氏 国税庁長官に出世したことで官僚人生が狂う

”論功行賞”だったはずが…(時事通信フォト)

 こわばった表情で目を泳がせ、怯えたように周囲をうかがいながら身を縮めて黒塗りの公用車に乗り組む。

「国税庁長官罷免デモ」渦中の2月、本誌カメラマンが捉えた“逃亡生活”中の佐川宣寿・前国税庁長官の姿だ。それから1か月後、辞任表明で長官として初めてテレビカメラの前に現われた佐川氏の目は泳ぎ、声も精気を失っていた。

“なぜ一官僚にすぎない自分が、汚職政治家と同じような目に遭わなきゃならないのか”──ある後輩財務官僚は「佐川氏は目でそう語っていたように見えた」と語る。

 しかし、1年前の昨年3月、財務省理財局長として国会答弁に立った佐川氏はまるで違っていた。

「記録は速やかに廃棄した」

 森友学園への国有地売却をめぐって、交渉記録の廃棄を断定したときだ。

 都合の悪い質問には、ああでもない、こうでもないと語尾を曖昧にして言質を与えないようにする。典型的な「官僚答弁」からすると異例な発言だったが、眼光にも口調にも官僚としての強い覚悟と誇りが滲んでいた。佐川氏はあの答弁に官僚人生を賭けた。

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