「次のオフに最初のチャンスが生まれる。実は、新協定の縛りは1年目だけのこと。
大谷が二刀流で活躍すれば、エンゼルスは相当な好条件のオファーをしてくるだろう。近年のメジャーは生え抜きの若手選手の抱え込みが盛んで、FAまでの期間を1年でも延ばそうと、将来性のある若手には長期大型契約をオファーすることがトレンドになっている」(現地記者)
メジャーに入団してからFAの権利を得るまでの期間は6年間。最初の3年間は球団主導で低く抑えられた年俸となるが、残り3年間は選手の異議申し立てが認められ、年俸調停にもかけることができる。
そのため各球団は事前に長期抱え込みの策を講じる。トラウトは4年目の2014年、23歳のときに6年1億4400万ドルという超大型契約を交わした。また、2008年には当時レイズのエバン・ロンゴリア(ジャイアンツ)はメジャーデビューわずか4日後に9年総額4400万ドルという前代未聞の契約で球界を驚かせた。その後ロンゴリアが球界を代表する三塁手に成長したことで、この契約が現在に至る大きな流れを作ることになった。
◆「オプション価格」は未知数
「二刀流が成功すれば、当然エンゼルスは長期契約を真剣に考える。ひとつの目安になるのはマイク・トラウトの契約だ。今やスーパースターの平均年俸は年3000万ドルを超える時代に突入した。
大谷の場合、さらに二刀流の分のプラスアルファがあるのは間違いない。彼が活躍すれば“二刀流選手の査定方法をどうするか”という新たな議論が起こることだろう。単純に2人分、つまり2倍もらえるということにはならないが、6年総額2億ドル、その後FAになってもうワンランクアップということも考えられる」(別の現地記者)