もう1つ注目すべきは、年上世代の元子役が活躍していること。高橋一生さん、三浦春馬さん、濱田岳さん、池松壮亮さん、本郷奏多さん、神木隆之介さんらが、ルックスだけでなく、ベテラン俳優並みの演技経験を生かして、ドラマや映画をけん引する存在になっていることが追い風になっているのです。
今や「元子役の男性俳優」は、芸能界の新たなブランドに。芸能事務所もそのことを意識してマネジメントしていると聞きますし、嘉島陸さんや吉川愛さん(以前の芸名は吉田里琴)のように「子役引退後の再デビュー」というケースも少なくないようです。
私は何度か、子役を育成する芸能事務所の取材をした経験がありますが、近年は大人顔負けの演技力と礼儀正しさを兼ね備えた子が目白押し。熾烈なオーディションを勝ち抜いた人気子役のポテンシャルは過去の比ではないだけに、浮き沈みの激しい芸能界で生き残っていけるのも当然なのかもしれません。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本前後のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。