ビジネス

【ドル円週間見通し】リスク要因減少もドル買い材料不足

米中貿易摩擦の回避や米朝関係の改善などが意識されるものの…

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が4月2日~4月6日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は上げ渋りか。トランプ政権は、中国や日本をターゲットに鉄鋼・アルミ製品の輸入制限に踏み切り、中国が即時対抗措置に言及したことで米中貿易戦争が懸念された。その後、両国は協議による解決を目指すとし、激しい貿易摩擦は回避されたとの見方が広がっている。

 米中貿易摩擦の回避や米朝関係の改善などを意識してリスク回避のドル売り・円買いはやや後退している。日本の政治情勢の不透明感も払しょくされつつあることもドル買い・円売りを支援するとの声が聞かれている。核開発をめぐり緊張感が高まっていた北朝鮮とは5月中に首脳会談が行われる見通しとなり、米朝間の緊張緩和が見込まれる。こうしたトランプ外交への期待から、ドル買い・円売りに振れやすい地合いとなろう。

 ただ、新たなドル買い材料が提供されない場合、ドル買い・円売りの勢いはやや弱まるとの見方が多いようだ。米連邦準備理事会(FRB)は今年3回以上の利上げを行なうとの思惑は後退しつつあり、米10年債利回りは2.8%を下回った。また、追加利上げが実施された後も、2年債と10年債の利回り格差の縮小は続いており、利上げ継続によって2年-10年の利回り格差はいずれ消滅するとの観測が広がっている。

 4月6日発表の3月米雇用統計がインフレ加速を示すものでなかった場合、利上げペース加速の思惑はさらに後退し、ドルの上値は再び重くなりそうだ。なお、トランプ政権内では3月中にティラーソン国務長官など4人のメンバーが交代しており、人事に関する不透明感は払拭されていないこともドル買い抑制の要因となりそうだ。

【米・3月ISM製造業景況指数】(4月2日発表予定)
 2日発表の米3月ISM製造業景況指数は60.0と、2月の60.8を小幅に下回る見通しだが、引き続き高水準が見込まれ、製造業の堅調が意識されよう。市場予想を上回った場合は株高・ドル高となる可能性がある。

【米・3月雇用統計】(4月6日発表予定)
 6日発表の米3月雇用統計は、失業率4.0%、非農業部門雇用者数は前月比+19.0万人、平均時給は前年比+2.7%と予想される。利上げ加速期待が後退するなか、市場予想を下回れば明確なドル売り材料になる。

・4月2日-6日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
「名球会ONK座談会」の印象的なやりとりを振り返る
〈2025年追悼・長嶋茂雄さん 〉「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 日本中を明るく照らした“ミスターの言葉”、監督就任中も本音を隠さなかった「野球への熱い想い」
週刊ポスト
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン
実業家の宮崎麗香
《セレブな5児の母・宮崎麗果が1.5億円脱税》「結婚記念日にフェラーリ納車」のインスタ投稿がこっそり削除…「ありのままを発信する責任がある」語っていた“SNSとの向き合い方”
NEWSポストセブン
峰竜太(73)(時事通信フォト)
《3か月で長寿番組レギュラー2本が終了》「寂しい」峰竜太、5億円豪邸支えた“恐妻の局回り”「オンエア確認、スタッフの胃袋つかむ差し入れ…」と関係者明かす
NEWSポストセブン
シーズンオフを家族で過ごしている大谷翔平(左・時事通信フォト)
《お揃いのグラサンコーデ》大谷翔平と真美子さんがハワイで“ペアルックファミリーデート”、目撃者がSNS投稿「コーヒーを買ってたら…」
NEWSポストセブン