スポーツ

角居勝彦調教師 馬にとって「良い水」とはどんなものか

角居調教師が「水」について語る

 競馬の世界ではクラシック初戦も終わって今週からは、春の東京・京都開催。気温の上昇とともに、気候への対応が鍵になってくる。調教師・角居勝彦氏の週刊ポストの人気連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」より、1日30リットル飲む、馬にとっての水についてお届けする。

 * * *
 ようやく水温む季節になりました。古代ギリシャでは「万物の根源は水」といったそうですが、馬にとって水は根源的に重要です。馬体の約70%が水。1日に30リットルの水を飲みます。大量の水は健康維持や速やかな発汗のために欠かせない。飲水不足だと便秘になったり、肌が荒れたりします。

 たくさん飲むわけですから、当然良い水がいい。馬にとって「良い水」とはどんなものなのでしょうか。30リットルですから、ガブガブと飲める水がいいのです。

 滋賀・栗東の水は美味しいといわれます。琵琶湖に注ぐ前の水のようで、土壌のミネラル分の味を馬は感じているのかもしれません。浄水技術が格段に進歩した今、美味しくない水はなくなったようですが、東西で比較すれば西は総じて水がいいですね。

 基本的に、競馬場は水の良い場所にあります。札幌、函館の水は美味しいし、福島も新潟も、中京も小倉もいい。歌にもありますが、東京競馬場の近くには、ビール工場があるくらいですからね。

 その昔、水の味は陣営にとって大問題でした。関西馬が関東、たとえば中山で出走するとき、現地の水をなかなか飲んでくれないことも珍しくなかった。関西馬のほうが水の味にうるさかったのですね。

 私が中尾厩舎の修業時代、担当だったナリタハヤブサの中山の皐月賞に帯同したときのことです。当時の競馬界は関東馬が圧倒的に強くて、関西馬は滞在してコンディションを整えないと勝てないということが常識になっていました。

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン